「椎名林檎と彼奴等の居るAIRPOCKET 真空地帯」を観た感想

「椎名林檎と彼奴等の居るAIRPOCKET 真空地帯」を観た感想

「椎名林檎と彼奴等の居るAIRPOCKET 真空地帯」とは、2018年の上半期、3月~5月にかけて実演された椎名林檎によるライブである(公演前の公式タイトルは「椎名林檎のひょっとしてレコ発2018」となる)。

DVD/Blu-rayは2018年11月21日に発売されているわけだが、とにかく最高なので「椎名林檎と彼奴等の居るAIRPOCKET 真空地帯」のDVDを視聴した感想を記していきたい。

 

しがらみからの解放を感じさせてくれる

今回の公演では、人生における”しがらみ”からの開放のようなものを感じさせてくれる。それもユニバーサルミュージックのオフィシャルレポートでも書かれているように、特に女の人生がテーマになっているような気がする。

途中までは“人の想いの暗くて重い部分”を感じさせる楽曲が続き、鬱々とした気分になるが、終盤にかけて颯爽で軽快なロックテイストの楽曲が中心となり、“自分を縛り付けていた何か”から解放された気分になって終わる。

観る人を爽快な気分にさせてくれる、そんな公演だった。

 

「人生は思い通り」で始まり「人生は夢だらけ」で終わる

本公演のセットリストは「人生は思い通り」で始まり、「人生は夢だらけ」で終わる(その後アンコールへと続く)。両曲とも人生の解放のようなものを歌う楽曲だが、前者がであるなら後者はの曲だ。

「人生は思い通り」では林檎さんらしく「人生は何にも制限されることはない、後悔のないよう今この瞬間を大切に」といった感じのメッセージが込められているのだが、人生の後悔に対する嘆きがとても多い歌詞となっている。対して「人生は夢だらけ」では、後悔ではなく肯定から始まり、人生に対する賛歌のような楽曲でもある。

始まりから終わりまで、この流れに準じてその他の楽曲も組み立てていく。ストーリーとしても魅了されるし、とても粋な構成だ。

 

女の強く深い想いが表現されている

ライブの中盤「JL005便で」~「暗夜の心中立て」ぐらいまでは、主に女性特有の「暗く、深く、罪深い情念」のようなものが表現されており、それが観る者を鬱々とした気分にさせる。

重くて底の見えない想い、はたまた自分自身を破滅に導いていくような業の深さのようなものを感じてしまう。こうした部分を上手に表現できるのは、日本では椎名林檎の右に出るアーティストはいないのではないだろうか。

 

ちなみに衣装に関しては2015年の百鬼夜行公演と同様、ランジェリー姿になって歌っちゃうし、相変わらず美しいなおい。それに今回のライブ衣装の数々は、林檎さん自前の衣装らしいね(ハイブランドばっかだけど)。 

・・余談だけど、真空地帯のライブ衣装はタワーレコード新宿店でお披露目されていたので(2018年の下半期頃)、僕も忘れることなく、しっかりと見に行ったぜ!!

 

セットリストを抜粋して感想を

とりあえず今回も真空地帯公演からいくつか楽曲をピックアップして、感じたことを自由に書いていこうか。

【4.ギブス
僕の中のお気に入り曲ランキングの中で、ギブスがぐいぐい上昇してきてしまった。女性の想いの美しさのようなものを感じさせてくれた。あと同じぐらい林檎さんの目が美しく、吸い込まれそうだった。


【7.JL005便で】
全編英語の歌詞だが、ライブだと日本語訳を表示してくれるので嬉しい。是非曲の流れと一緒に日本語訳を口ずさんでほしい。内容はとても叙情的で、純文学のように美しい表現がされている。酔っ払って観ていると、なんだか泣けてくる。


【10.浴室】
浴室のパフォーマンスは本当に圧巻だ。もともと多分に狂気を含んだ歌詞なんだけど、そこに林檎さんのパフォーマンスが加わり、これだけで女の情念を感じ取ることできる。


【14.眩暈】
やっぱ眩暈は名曲だ。単純に良い。ライブではなかなかやってくれない一曲だし、今回のセットリストに入っていて最高。


【15.おとなの掟】
ドラマ「カルテット」も毎週楽しみに観ていたので、楽曲提供元である椎名林檎Ver.の「おとなの掟」を聴けてよかった。


【21.自由への道連れ】
ロックテイストだし、ライブも終盤だし、とても盛り上がる。先に話した「しがらみからの解放」も、ここで昇華され爽快感が駆け巡る。前曲の【20.孤独のあかつき】からの流れもよい。


【22.丸の内サディスティック】
林檎さんの登場シーンからもはや恰好いい。「シャドー」の掛け声出したい。アンコールで流れると盛り上がるし、とてもクールな一曲。

案の定だが、今回も薄っぺらい感想だな。

楽曲に対してテクニカル面な批評ができる人とか、もっと奥ゆかしい言葉を使って感想を述べられる人は尊敬に値する。

 

おわりに

今回の公演は「椎名林檎と“彼奴等の居る”AIRPOCKET」である。つまり楽曲だけでなく、彼奴等が指すところのMANGARAMAによる演奏も最高だし、映像演出も最高だ。

とにかく完成された舞台劇だったし、DVDやBlu-rayでの視聴からも”すごさ”が伝わってくる。僕も椎名林檎と彼奴等がつくりだすAIRPOCKET(真空地帯)にまんまと紛れ込んでしまった。

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