アナログすぎてあきれるSES営業の実態

アナログすぎてあきれるSES営業の実態

ソフトウェア企業にはシステムエンジニアだけではなく、エンジニアたちを陰で支えるIT営業マンの存在がある。ただ一口にIT営業といっても、受託開発営業・パッケージ営業・SES営業といった領域があり、その営業先や商材はさまざまだ。

そして今回アナログすぎてあきれると言っているのは、SES営業と呼ばれる、エンジニアを人手の足りない開発プロジェクトにアサインさせるタイプの営業だ。

僕自身はエンジニアとして効率重視で仕事をしてきたので、SES営業を担当するようになったときはある意味、その生産性の低さに衝撃の連続だった。今回は僕自身の経験で感じたことをもとに、SES営業のアナログすぎる実態についてご説明していこう。

 

情報交換という謎のアポイント

SES営業にとって生命線となるのは、エンジニアという人材情報と、開発プロジェクトという案件情報だ。人手の不足している開発プロジェクトにエンジニアを投入する営業にて、二つの点を結びつけ、一つの線にすることでビジネスが生まれる。

SES営業を専門に行っている会社や営業マンは、自社で直接雇用していないエンジニアを、自社の案件ではない開発プロジェクトにアサインするなりして、利益を生み出していたりする。
※わかりやすく言うとブローカーのような動き

そうなってくるとSES営業マンにとって大事なのは情報量だ。人材情報や案件情報を多く抱えていればいるほど、点と点を結びつけやすくなり、より多くの利益を生むことができる。だから中小ソフトウェア企業同士ではしきりに情報交換という名目でアポイントメントをとってくる。

 

生産性の低い手法にあきれる

当初SES営業というものを担当した僕は、この商習慣に衝撃を受けた。他企業の営業マンにわざわざ電話で「情報交換のために一度会いたい」と連絡をして、小一時間使って互いが持っている情報を交換し合う。

あまりに非生産的な行為ではないだろうか。「伝えたい情報があるなら電話した時点で直接話せばよいし、なんならメールで送ってくれ」とさえ思ってしまった。情報を提供する方もメールで一斉送信したほうが効率が良いに決まっているし、受け取る方もわざわざ打合せ分の時間を消費しないで済む。

ビジネスにスピードが求められる現代においては、メールなどのツールを利用した方が圧倒的に効率や生産性は高くなる。この業界の営業は非常にアナログなのである(きっと営業手法自体が何年も前から変わっていないのだと思う)。

 

有益な情報を得られないこともしばしば

実際顔を合わせたとしても、情報の交換レベルの話はものの10分もすれば終わるだろう(そもそもメールで送ればよい程度の内容がほとんどだしね)。あとはグダグダと、どうでもいい会話をしていることもしばしば。

さらにはエンジニア不足が慢性化している現状では、「人いないですね」というだけで特に有益な情報を得られないことも多く、そうなってくると「何のためにアポイントを取ってきたのか」と憤りを覚えてしまうことだってある。

なんだかふわっとした時間が流れ、何の成果もないまま、ただ人と会ったという事実だけで仕事をした気分になっている営業マンもこの業界には多いのではないだろうか。

 

誰と仕事をするかを優先するとアナログなことも必要らしい

SES営業を始めた当初はこうした商習慣にあきれてしまったが、こうしたアナログなやり方が続いているには、意味もあるようだった。

“情報交換”という名目の打合せは、単なる情報だけではなく、(恐らく)どの会社と取引をしたいかを見極める時間にもなっているのだと思う。相手としっかり顔を合わせて会話をして、話がはずめば取引をしたいという気持ちも高くなるし、誰と、どの企業と取引をしたいのか選定するのにも、ひと役立っているのだろう。

もちろん企業間の取引も、価値観の合う会社と取引をした方が良い結果になることが多い。中小ソフトウェア企業は無数にあるので、取引先を選定するということでは、アナログな情報交換も意味を持つのだ。

それを裏返せば、気の合わない営業マンと情報交換をした場合、その後は二度と連絡を取らないなんてこともあったりする。

効率や利益を考えるなら、気が合う・合わないなんてどうでもよいことなんだけど、そうしたことを意識する会社は意外に多いものだ。

 

おわりに

とてもアナログで非生産的なSES営業の実態。僕自身はあまりの生産性の低さから、情報交換レベルの打ち合わせをするのは一切やめてしまった(個人的にはもっと生産的なことに時間を使いたい)。

しかしこうした商習慣も、一部の人にとっては意味もあることなのだろう。ガンガン売上をつくってく人もいるし、きっと個々の営業マンレベルでみると、さまざまな工夫をしているのであろう。

なんだかんだ言いながら、当社でもSES営業マンは募集中なのである。

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