ただの派遣会社みたいな節操のないソフトウェア企業多すぎ

ただの派遣会社みたいな節操のないソフトウェア企業多すぎ

僕自身が10年以上にわたり身を置いているソフトウェア業界は、会社数も多いし、その分いろんな考え方を持った会社がある。

ただ最近は「ソフトウェア企業です!」とうたっておきながら、そして正社員雇用しておきながら「個人で売上げる金額の○○パーセントを給与としています」とか、ただ社員を派遣することしか考えていないような、節操のない会社が増えてきたような気がする。

そんな会社を目の当たりにすると「ソフトウェア企業とか格好つけてないで、もうそれ派遣会社でいいじゃん!」そう思ってしまうのである。

※もちろんそうした会社で働いている人もいるわけだし、会社の理念はさまざまであってしかるべきだ。資本主義経済という意味で考えれば、何も間違ったことはないだろうし、否定するつもりはない。ただ批判したいだけだ。

 

節操のないソフトウェア企業たち

(あくまで個人的に思う)ソフトウェア企業というより派遣会社と名乗った方がいいのでは? と思う企業の形を紹介していこう。

給与が報酬型ソフトウェア企業

冒頭でも述べたように、昨今「個人の売上金額の○○パーセントを給与としています」というような制度を設けている会社が増えてきたような気がする。

こうしたことができるのも、ソフトウェア開発の現場では派遣契約で別企業の開発プロジェクトに参画することが多く、一人あたりの売上が明確にでるからだ。

もちろんスキルの高いエンジニアは高単価になるし、スキルが低ければ単価も安くなる。エンジニア自身の能力値によって給与が決まる仕組みだ。実力主義の最たるところだ。

 

労働基準法守ってんの?

別に能力主義・実力主義を批判したいわけではない(うちの会社でも能力に応じて評価することは重要視している)。ただこうした企業で思うのは、労働基準法をしっかり守っているのか? という話。

エンジニアが派遣契約で開発プロジェクトに入るにしても、

  • 時間精算
  • 月額固定(時間幅あり)
  • 月額固定(時間幅なし)

など、金額だけでなくその契約形態もさまざまだ。

本来正社員を雇用する場合には、社員への給与は上記のような契約形態に関係なく、有給休暇の申請があればたとえ売上げが減ったとしても給与を控除することはできないし、お客様との契約で定められた時間幅など関係なく、1日8時間・週40時間を超えた分から割増し賃金を時間外手当として支給しなければならない。

だから絶対に売上げの○○パーセントを給与として支払うなんて無理なのだ(基本給がめちゃくちゃ低くて、あとはインセンティブで調整というなら分からなくもないが、それも結局は都合合わせだけでしかない)。

それにエンジニアが社内待機とかなった場合どうするんだろう。売上げゼロだから給与ゼロです。なんてことになるんですかね!?

冷静に考えて労働基準法違反してるのでは? もうこうした会社は、いっちょ前に正社員雇用なんてしてないで、全員個人事業主との業務委託契約にして、派遣会社と名乗ってほしい(こうした会社に限って、社員数と売上の増加にだけ価値をおいて話をしてくるから厄介だ)。

あと「個人売上げの○○パーセントが給与となるから、他の会社より年収がアップします」なんて言って転職者を募っているようだけど、しっかりと労働基準法を守って会社運営してたら、給与還元率ってそんなに変わらないからね(まぁよその会社の実情までは知らないけど)。

 

技術力で勝負ではなく、ただの人出しじゃん

それとこうした形態は、言い換えれば派遣契約しかしませんと言っているようなものだ。

請負での開発を受託して、技術力の高いメンバーでより良いシステムを構築してお客様に喜んでもらおうとか、業務効率を意識して会社の利益率を高めていこうとか、しっかりと社内で教育体制を整えていこうとか、いっさい考えていないのだろう。

派遣契約であれば瑕疵担保責任などのリスクも負わないし、会社経営という意味では合理的ではあるが、ソフトウェア企業と言うのならばエンジニアの頭数ではなく、技術力で勝負してほしいところだ。

こうした会社がやっているのはただの人出し。そこにソフトウェア開発に準じる理念や哲学は何もない。一応大義名分的なことをうたってはいるようだが、やってることは派遣会社と何ら変わらない。

 

使い捨て型ソフトウェア企業

使い捨て型ソフトウェア企業についても、もの申しておこうか。

昨今は業界全体で人手不足なんで、どこもエンジニアの採用業務は苦労している。そこで「未経験からでもなれるシステムエンジニア」といったように、ハードルを下げて求人をかける会社が多くなってきた。

未経験者を採用してシステムエンジニアとして育てることは、業界全体にとっても良いことだ。ただ物言いをつけたいのは、システムエンジニアとして募集しておきながら、実際はデータ監視とかヘルプデスクとか、エンジニアリング以外の業務を担当させるような、悪質ソフトウェア企業だ(こうしたことは社員数が数百名規模の割と大きなソフトウェア企業でも結構ある)。

念のため言っておくが、データ監視やヘルプデスクなどの業務が悪いわけではない。社会のために必要な仕事だし、顧客業務を支える上でも尊い業務だ。ただシステムエンジニアの仕事ではないということ。

どれだけそうした業務をこなしても、システムエンジニアとしてのキャリアは高まっていかない。30歳を過ぎてプログラムの一つもできなければ、いくら長期間ソフトウェア企業に勤めていたとしても、システムエンジニアでもないし、転職しようにも限りなくエンジニアとしての価値は低い。まさに人材の使い捨てだ。

そうして社員が自身のスキル不足と会社への不信感ゆえに退職したいと言ってきたときに、経営陣の人間はしっかりと退職者の目を見て送り出せるんですか? もしも「今までありがとう。これまでお疲れ様。今後も頑張れ。」なんて言葉を発しようものなら、それはどの口が言ってるんだよ。とさえ思う。

30歳を過ぎて、自身のエンジニアとしての市場価値が低いことに気付いたとしても、もう遅い。雇用される側の責任もなくはないが、血も涙もない会社側は人を雇用する資格なんてない。ソフトウェア企業なんか言ってないで、スタッフ登録型の派遣会社としてやってくれ。

 

きっと人を採用することに何の痛みも感じないんだろうね 

こうした企業は、社員数と売上にしか目がいかないだろうし、企業の存在意義は経営者の自己満足と自己顕示欲を満たしたいだけ。そこに関わっている人間の幸福は後回し。

もちろん売上がなければ会社継続はできないし、僕だって「楽しく幸せに働くのが一番」なんて甘い考えは持っていない。どれだけ充実した業務内容でも、売上げが上がらずに十分な給与が支払えなければ、全員が不幸になることも承知している。

ただ会社を支える社員をないがしろにしてまで、追求する売上と会社規模の先には何の意味があるのだろう。そこにはやっぱり経営者の自己満足しか残らない。

結局のところ人を採用するという行為に、何の責任も覚悟も痛みも感じていないんだろうね。人を採用するということは、他人の人生に対して多かれ少なかれ介入することになる。だから採用する側は、社員が会社を通してよりよい人生を送れるよう誠意をもって向き合うし、もし会社が原因で嫌な思いをすることがあれば、本人と同じようにつらく苦しい気持ちになる。内定通知を出す際には、大きな責任を背負うことに覚悟を決めるし、痛みを伴う感覚が当たり前ではないだろうか。

ただ先に説明した会社は、こうした感覚が薄いから、労働基準法だって都合のいい理由をつけて平気で違反するし、従業員の将来のキャリアとかも全く考えないのだろう。一番大事なのは経営者の欲を満たすのに必要な、従業員数と売上という数字だけなのだから。

 

おわりに

いろいろ書いてきたけど、(大事なことだから二回言っておくけど)働き方も会社理念もさまざまだからこそ、選択する自由が生まれるわけだし、資本主義の考え方から言えば、今回ご紹介したようなことは何も間違っていない(労働基準法違反は問題だが)。だからこうした会社を否定することもない。

それでも僕個人としては、今回説明したような節操のないソフトウェア企業ではなく、もう少しエンジニアのキャリアや社員の想いに寄り添った会社を目指していきたい。エンジニアとしてだけではなく、一人の社会人として豊かな人生を送るために求められるような会社をね。

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