「GRIT やり抜く力」を読んだ感想~才能よりも努力の重要さを説く~

「GRIT やり抜く力」を読んだ感想~才能よりも努力の重要さを説く~

「GRIT やり抜く力」とはペンシルベニア大学心理学教授のアンジェラ・ダックワース氏による著書。

著者はハーバード大学を卒業⇒オックスフォード大学にて修士号を取得⇒マッキンゼーのコンサルタントという誰もがうらやむようなキャリアのあと、公立中学校の教員になるというユニークな経歴の持ち主。その後は心理学の研究のために大学教授となっている。

本書では偉大な功績を残した超一流と呼ばれるほどの偉人達が優れていたのは、才能ではなく”やりぬく力”であり、そうした地道な努力が能力を伸ばしていく上で重要であることを説いている。

 

やり抜く力の価値

本書を読み進めていくと、やり抜く力の重要さをひしひしと感じさせてくれる。

ビジネスの世界・スポーツの世界・芸術の世界など、切磋琢磨を必要とする世界にて、頭一つ抜きん出るような超一流の偉人たちの功績は、すべからく諦めずに努力を継続してきたからこそ為しえることができた結果だという。

そうした”やり抜く力”の重要さを、数々のデータや、両親や本人へのインタビュー、多くの研究者の見解なども踏まえて、著者自身の見解が記されている。

結構「自分には才能がないから・・」という理由で投げ出してしまう人って多いと思うんだけど、本書を読むと努力は才能を凌駕することを教えてくれる。それと同時に全てを才能のせいにして、努力を怠ってきた自分自身を恥じたりもする。

ちなみに本書で紹介されるケースについては、著者がアメリカ育ちということもあり、主に海外の偉人たちにフォーカスしている。そのため日本人にとっては誰それ? みたいな感じの人も多いかもしれないが、しっかりと実績や功績についての説明もあるので心配は不要だ。

 

私たちの身近な話にも通用する

超一流と呼ばれるほどの成功者の話だと、ちょっと異世界の次元になってしまうが、やり抜く力に関しては私たちの身近な生活にも影響を及ぼすようである。

本書では厳しい訓練を伴う米国陸軍士官学校の話とか、英単語のスペルの正確さを競う大会の話とか、将来の年収や失業率とかの話まで、結構身近な事象においても、やり抜く力が高い人ほど良い結果につながると説明している。

仕事となると「いかに組織の中で上手な立ち回りをするか」ということも大事になるかもしれないが、職人のようにひとつを極めていくような業務であれば、やり抜く力を意識するのが良いことなのだと感じさせてくれる。

 

やり抜く力は伸ばしていける

やり抜く力という能力の低い高いは、遺伝的要素も少なからずあるようだが、それよりも身を置く環境や自身の考え方によって、やり抜く力の程度は大きく変わるという。

 そのため本書では”やり抜く力”を内側から伸ばす方法と、外側から伸ばす方法の2通りを紹介している。

内側(自分自身の意識)で伸ばしていくにも、ただがむしゃらに長時間同じことを続けていけばよいわけではなく、練習する際の質と時間の関係、目的や意義を見いだすこと、諸問題に対する受け止め方の変革などの面に対して意識を変えていくことが大事なようだ。

とにかくやり抜く力は自分自身でも伸ばしていけるのだ。すぐに情熱が冷めてしまったり、飽き性な人にとっては、新しい発見が多く生まれるんじゃないかな。

 

教育面も大事

外側から伸ばす方法に関しては、上司や教師、コーチなどの存在も大事だが、やはり幼少期から心を育む親の存在が大事である。

最近は(社会的に)教育を語る上でも、テストの点数や知能指数といったことよりも、本書のテーマにもあるやり抜く力といった非認知能力が注目されている。僕も子を持つ親なので、教育が子供の精神発育にとって、どのような影響を及ぼしていくかの話は非常に興味深かった。

子育てのスタイルに関しては「怠慢な育て方」「独裁的な育て方」「寛容な育て方」「賢明な育て方」という4つのパターンに分けられるといい、最も子供のやり抜く力を高めるのに大事なのは、子供に対して厳しい要求を突きつけつつも支援を惜しまない「賢明な育て方」という。

親としてあるべき存在を考えるときに、印象に残ったのは「あたたかくも厳しく子どもの自主性を尊重する親」という言葉。自分の子供となると愛情あまってついつい甘やかしたくなるものだが、しっかりと要求することの大事さを忘れてはいけない・・ と、ひとり感じてしまった。

 

おわりに

やり抜く力の根源となる「情熱」と「粘り強さ」を意識することは、何かの業績や実績を残すというだけでなく、生きていく上での満足度や幸福度といった点にもつながる(もちろんつらい思いも多分に感じるだろうが)。

やり抜く力を高めるということは、ある意味人生を豊かにするために必要な要素と言ってもよいかもしれないな。

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