インフレを考慮すると持ち家で住宅ローン派の方が賢い選択かもしれない

インフレを考慮すると持ち家で住宅ローン派の方が賢い選択かもしれない

人間にとって必要な衣・食・住。その中でも「住」に関しては、賃貸と持ち家(住宅ローン)のどちらの選択が良いのか、論争が繰り広げられている。僕自身は29歳のときに住宅ローンという選択肢を選び、一戸建ての注文住宅を購入した。

ただ賃貸と持ち家(住宅ローン)のどちらが良いのか論争に関して言えば、個々人のライフスタイルや主義にもよるので、転勤が多い人なら絶対に賃貸契約でのアパートやマンションの方が良いに決まっているし、息子や娘にいずれ固定資産を渡したいのなら、分譲マンションや一戸建てを購入しておく方がよいだろう。

今回する話は、そうしたライフスタイルや主義の違いは抜きにして、金銭面的なことだけを見ると、住宅ローンを抱えるという選択肢は、わりと賢い選択かもしれないという思いを伝えていきたい。その理由の正体は”インフレ”にある。

 

賃貸と持ち家(住宅ローン)、結局どちらも同じ説

賃貸派と持ち家(住宅ローン)派、それぞれの陣営に分かれて、どちらが金銭的メリットがあるのかという話は、さんざん論議されてきた。友人知人同士の会話でも、雑誌やWEBメディア上でも。

金銭的観点で言えば、双方にデメリットがあるのは確かだ。賃貸であれば引っ越しをする度に礼金が発生するし、退去時には事前に支払った敷金以上の補修費用が発生すれば支払い義務が生じる。持ち家だとしても固定資産税が毎年発生するし、外壁塗装や設備の修繕など定期的なメンテナンス費用だって必要になる。

こうした費用面を考えると、結局は賃貸も持ち家(住宅ローン)も、金銭的負担を考えると長い目で見ればトントンなのだと思う。ただしそれはインフレを考慮しなければ、の話だ。どんな論争を聞いても、インフレのことをまったく考慮していない主張ばかりで、だからこそ当記事内にてインフレの重要さを説いておきたい。

 

住宅ローンは現在の物価が約束される

ローンを組むときには、その時点での物価というものを意識してほしい。

お金というのは恒久的に一定の価値を保ち続けるわけではなく、常に変化するものである。つまり30年とか35年の住宅ローンを組むということは、そのときの貨幣価値を30年とか35年間、維持し続けられるという考え方にも置き換えられるのだ。

例えば現在において3000万円という金額は、一般的なサラリーマンにしてみれば相当な額となる。それは住宅を購入するであろう30代サラリーマンの年収の中央値が400万円前後だからだ。ただしもし年収があがり、倍の800万円になれば3000万円という金額の重みは変わってくる。

年収が800万円にするなんて現実的じゃないぞ! という話になるわけだが、そこは物価やインフレといったことを考えてほしい。

 

インフレという予測

インフレとは正式にはインフレーションという言葉の略だが、ものの値段やサービスの値段、いわゆる物価が上昇することを意味する。逆に通貨価値が下がるという見方もできる。

インフレーションの反対はデフレーションで、逆に物価が下がることを意味するのだが、日本はバブル崩壊後20年以上にわたり、”失われた20年”という表現がなされるようにデフレが主流になっていた。

ただもう少し長い目線で経済を見てみると、常にインフレは起きている。アメリカの消費者物価指数を見ると常に右肩あがりになっているし、日本も例外ではない。バブル崩壊後は平行線をたどり気味だが、それまでは右肩上がりで物価は上昇している。

昭和初期の大卒初任給が70円ほどだったというのだから、現代の私たちにとっては驚きだ(物価が上がれば所得も比例して上がるのが普通)。デフレ経済が続いた日本にいると、インフレに対してピンとこないかもしれないが、最近は徐々に物価もあがっており、今後も確実にインフレが続く・・と僕は思っている。

 

インフレにともない賃料も上昇する

先に説明したインフレリスクを考えると、30年とか35年にわたって借り入れのできる住宅ローンの魅力が分かるだろう(5年ぐらいの車のローンであればインフレの恩恵はあまり受けないだろうが)。

(固定金利を想定し)総額3500万円の住宅ローンを(ボーナス支払も考慮しないで)毎月返済していくとなると、月々の返済額は8万3千円ほどとなる。どれだけ物価が上昇して、給与水準が上がろうとも、20年後でも30年後でも毎月8万3千円の返済という額が保証されている。

もし賃貸アパートなりマンションで毎月8万円ほどの支払いが生じているのであれば、物価の上昇に伴い20年後には同条件の部屋でも10万円の賃料となっているかもしれないし、12万円の賃料になっているかもしれない(逆に6万円ぐらいの賃料に下がる可能性もあるが、可能性としては低いだろう)。

 

繰り上げ返済もしなくてよい

借金は早く返してしまった方がよいというのが、日本人が何の疑問もなく当然のように考える概念だろう。ただ住宅ローンに関していえば、結局は賃貸契約の物件に住んでいても物価の変動がなければ金銭的負担はそう変わらないのだ。

ローンの完済を待たずに自分が死んでしまう可能性だってあるし、何があるか分からない。いまは災害時の保証だって昔に比べれば厚くなっている。だから住宅ローンは借金というよりも必要経費と考えたほうがよいのではないだろうか。

そう考えると、僕自身は繰り上げ返済すらしなくてもよいとさえ考えている。無理に繰り上げ返済をして、返済期間を短くしてしまえばインフレの恩恵を受けられなくなるからだ。

 

おわりに

今回はインフレを加味した金銭的メリットに追求して話を進めたが、冒頭に説明したように、個々人のライフスタイルによって賃貸と持ち家、どちらが良いのかの判断基準は異なるだろう。二階建ての家を建てたとしても、子供が出て行ったら必要なくなるし、一人になるリスクを考えればそんなでかい家は必要ない。

ただ住宅ローンを抱えることを検討している人は、少しだけ今回説明したインフレリスクのことも頭にいれておくとよいのではないだろうか。

 

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