うちの会社の社員選考でフィーリングを最重要視する理由

うちの会社の社員選考でフィーリングを最重要視する理由

うちの会社の採用面接では僕自身が求職者と面接をして採用可否の判断を下しているのだが、最重要視しているのはこれまでのキャリアや学歴、テストの点数などよりも人間性といったフィーリングでの評価だ。

ただフィーリングでの評価といっても、テストの点数のように明示的に評価ポイントを表せるわけではない。簡単に言ってしまえば「合うか合わないか」「信頼できるかできないか」という感覚的なもので決めている。

社員採用選考において、人間性や価値観の一致といったエモーショナルな要素を最重要視している理由を書いていこう。

会社勤めに求める理想の変化

当社の社員選考の話をする前に、まずは時代と社員の望むものという話をさせてほしい。

 

一口に”会社勤め”と言っても、会社勤めの理想は時代の流れとともに変わってきている。

戦後の日本経済において求められていたのは、とにかく職に就いて食べることに困らないこと、家族を養っていくことが会社勤めをする主な目的になっていた。

 

そして世界にも類を見ないほどの経済成長を成し遂げ、日本から貧困がなくなった時代。世の社会人にとっては名のある大手企業に勤めて出世していくことが、ある種のステータスになってきた。

会社経営という観念で考えても、経営者は自身の会社を社会的に認知されるまでに大きな企業へ成長させていくことが大事で、それは社員の喜びにもイコールで結びついていた。

だから採用戦略という側面で考えても、より能力が高く、会社を大きく成長させてくれるような人物を採用するため、学歴などの分かりやすい指標で選考をしていた。

こうした戦略は資本主義経済の本質を捉え、日本企業は世界でも注目された。日本経済史においても、まさしくゴールデンエイジだったろう。

 

そしてバブル崩壊から”失われた20年”とまで言われるような経済低迷があり、今の時代に求められる”会社勤め”の意味は、先に話した画一的な価値観からまた変化してきている。

世の中はグローバル化が一層進み、先進国の経済も成熟した今、”国家に所属する一員”とか”企業に所属する一社員”として何を求めるかというよりも、個人としてどう生きていくかが問われる時代になってきた。
(選択する自由のある良い時代のように聞こえるかもしれないが、生きにくさを覚える人も多い難しい時代だ)

こうした価値観の変遷とともに、企業のあるべき姿も時代に合わせてアップデートしていかなければならない。そこがうちの会社の採用に対する考え方につながるわけだ。

 

これからは誰と何をするかを求める時代

会社は大企業と中小企業の二つに分かれ、双方の存在意義は全く異なるものでなければならない。そうしたことは以前の「中小企業は大企業とはまったく別の存在意義をもつべきである」で書いたので、そちらを参考にしてほしい。

 

これからの中小企業としての役目は、仕事を通して自分を表現できる場の提供を行っていかなければならない。これまで当たり前だった画一的な価値観ではなく、個人としてどう生きていくのか、仕事を通して何を生み出していくのか・何を残していくのか、そうした表現の一つとして仕事を捉えていければ良い。

だからそのときに大事になるのは、会社がいかに社会的に認知されているかどうかではなく、もっと狭い範囲の中のこと。自分が会社の中で何ができるのか、誰と一緒に何をやっていくのかということの方が、一層大事になるのではないだろうか。

 

価値観の似通った仲間が集まることで生まれる力

少々前にダイバーシティという”多様性”を意味する言葉が流行ったりもしたが、確かに様々な価値観を持つ者が集まれば、それは刺激となり、そこから新たにイノベーティブな発想が生まれるかもしれない。

ただ個人的には老若男女・あらゆる人種・主義の異なる人同士によってもたらされる多様性は、企業文化がマンネリした大企業こそ求められるのであり、中小企業には必要ないと思っている(逆に中小企業では多様性が事業推進での弊害になってしまう)。

中小企業に求められるのは会社組織というよりも、もう少し柔和なコミュニティのような存在でよいと思っている。そうして社内で同じ価値観を持つ者同士が、自然発生的に生まれたチームにて企てる事業を推進していく形を作っていくのが、中で働く者にとってもユーザーにとっても一番価値あるものになるだろうと考えている。

だから僕はフィーリングを大事にして採用判断をする。それが結論だ。

 

おわりに

今後世の中の企業は、ますます画一的な価値観から解放されて、どんどんパーソナルによりそったコミュニティ的存在へと、変わっていくのではないだろうか。
※決して大企業の必要性を排除しているわけではなく、大企業と中小企業における価値観の違いを言いたいだけである

仕事というものは自己表現と捉えていくような風潮が広まれば、より一層フィーリングを重要視した採用選考が増えていくことだろう。

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