メールという非同期通信であれば、メールを受け取った側は、いつ返信しようが自由だ。だがこれだけは言える。仕事ができる人ほど返信が早い。それはたとえ忙しくしていてもだ。これはメールの返信だけに限らず、あらゆる応答へのレスポンスに共通することだと思う。
逆に仕事ができない人に限って、特段悩まずにすぐに返信できるような問い合わせだったとしても、なかなか返信がこなくてやきもきしたりもする。
僕自身も普段はメールはできる限り早く返信するよう心がけているのだが、それには以下のような理由があるからだ。
返信(レスポンス)を早くする理由
仕事をためないため
返信が必要となるメールは、受信したタイミングで対応すべきタスクとして積み上がっていく。仕事を進めていく上では、タスクを消化するのに必要な労力や時間・重要度・緊急度などによって優先順位をつけていくものだが、少ない労力で対応できるものであれば、どんどん消化していったほうが良いと思う。
逆にこまめにタスクを消化していった方が、集中力が分散されずに(頭のリソースを奪われることなく)、一つの仕事に専念して業務を行える気がする。
それに自身の処理能力を超えてあまりにタスクが積み上がりすぎると「優先順位の低いものは、もう対応しなくていっか」という気持ちにすらなってしまう。優先順位が低いからといって対応しなくてよいなんてことはない。そんな対応をしていると周囲からは「簡単な仕事でもおろそかにするやつだ」なんて口にされてしまう。
信頼を獲得するため
いつまでたっても連絡を返さない人と、すぐに連絡を返してくれる人。普通の感覚で考えれば、絶対後者の人と仕事をしたいと思うはずだ。
連絡が遅い、もしくは返ってこないと「本当に対応してくれているのだろうか」と不安になってしまう。逆にレスポンスが早いということは、相手に安心を与えることにつながり、信頼関係を高めることにも役立つ。
先にはタスクが積み上がりすぎると「優先順位の低いタスクをないがしろにする」という話もしたが、それは信頼関係すら壊してしまうことにすらつながる。誰だって約束事を破られるのは嫌なものなのだ。
あとよくあるNGなパターンは「質問メールを受信した際、返すべき回答が固まっていないため、固まるまで放置する」というパターン。「回答がまとまり次第返信しよう」と思っていたとしても、返信を待つ身にとっては、どのような状況で返信が返ってこないのかが分からないため不安になってしまう。そうした場合も「連絡ありがとうござます。検討しますので少々お待ちください」の一文ぐらいメッセージで送っておいた方が、信頼関係を築くという意味では得策だろう。
仕事を円滑に進めるため
現代はあらゆる情報機器が登場し、ネットワークが整備されたおかげで、仕事にもスピードが求められる時代となった。数十年前と比較すると、明らかにビジネスのスピードは速くなっているはずだ。
そうするとレスポンスが早いということは、ビジネスをより速く前に進めるということにも効果がある。
仕事となると複数プロジェクトに参加していることも多く、レスポンスが悪いとそれぞれのプロジェクトの進捗が滞ってしまう。特にプロデューサー、ディレクター、マネージャーなどであれば、より一層レスポンスのスピードには気をつけたいところだ。
非同期通信だからこそ迅速な対応を
きっと世の中の仕事のできない人の多くは、メールという非同期通信だから「返信はいつだって良いだろう」という自分勝手な気持ちでいるのではないだろうか。しかし仕事としてコミュニケーションを取る以上、相手がいることを忘れてはいけない。それは電話でもメールでも、連絡手段に関わらずに同じことだ。
コミュニケーションを取るということは、自分本位ではなく相手のことも考えなければならない。そうすればメールであってもできるだけ迅速に対応しようと思うはずだ。
むしろ非同期通信だからこそ、より一層レスポンスの早さが重要になってくるし、そこが仕事のできる人とできない人の分かれ目になるのではないだろうか。
おわりに
今の時代非同期通信の連絡手段でコミュニケーションを取ることが多くなった。メールだけではなく、LINEやSlackなどのチャットアプリなどを使用することもある。
そうした非同期通信の連絡でも、仕事ができると言われている人は押し並べて返信が早い。仕事の質を上げ、信頼を獲得したいのであれば、レスポンスの早さということも意識して仕事に取り組むとよいのではないだろうか。