「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」はTHE・エンターテイメントとしても最高

「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」はTHE・エンターテイメントとしても最高

「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」とは、2015年に開催した椎名林檎のライブタイトルである。もう我慢できないので言ってしまうが、内容は最高オブ最高だ。

昔のVHS(ビデオテープ)であれば、テープがすり切れるんじゃないかという程見ているわけだが(いや、それは言い過ぎか)、今回もDVDを観た感想をつらつらと書き記していきたい。

 

「THE・エンターテイメント」と言ってよし

当公演は「THE・エンターテイメント」と言ってよいぐらい、老若男女、誰が観ても楽しめるのではないだろうか。

まぁ・・とは言っても根底には林檎さんならではと言うか「人間の業の深さ」のようなものが忍んでいるのだが、そうしたものさえ非常にポップに表現されているので、全体を通して気持ちよく楽しめるような仕上がりになっている。

(百鬼夜行とは鬼や妖怪による行進のことを言うのだが、本公演では鬼や妖怪よりも恐ろしいのは人間の内面にあるもの・・それを表現したかった。的なことはYouTubeのオフィシャル・コメント映像にて林檎さん本人が言っている)

セットリストに関しては、わりと最近リリースした楽曲から、結構昔の楽曲、東京事変の楽曲、他アーティストとのコラボ曲などさまざまで、どの時代の椎名林檎ファンでも満足いく流れになっていると思う。

 

彼奴等の演奏も素晴らしい

今回は前回の「(生)林檎博’14 ―年女の逆襲―」とは違い、ホール公演になるため、バンド演奏が基本となる。そして登場するのが彼奴等こと、MANGARAMAのバンドメンバーの面々だ。

彼奴等は当DVDとセットになっている「椎名林檎と彼奴等による 陰翳礼讃2016」や、2018年の真空地帯公演でも椎名林檎と一緒に実演している。

浮雲氏やヒイズミマサユ機氏なんかは東京事変のメンバーだったし、それぞれが高度な演奏技術を持っている。だからライブでは元の楽曲からのアレンジをきかせて楽しませてくれるし、そんな彼奴等に注目するのもまた違った楽しみになるのではないだろうか。

 

いくつか曲を抜粋して感想を

百鬼夜行公演に関しても、セットリストからいくつか曲を抜粋して感想を述べていきたい。ただどれも本当に良い曲なので、抜粋とは言いつつも、ついつい長くなってしまった。 

【1.凡才肌
もう初っ端から良い!
三文ゴシップに収録されている凡才肌はcobaさんのアコーディオンがメインになっているが、今回は重厚でおどろおどろしい感じで、また違った雰囲気の楽曲となっている。

百鬼夜行公演のオープニングとして文句のない1曲であり、観客を舞台の世界に入り込ませてくれる。


【5.労働者】
こんなにも格好良くトライアングルを扱う人を僕は見たことがない。僕がトライアングルを持ったところで、所詮何かのお遊戯会かなんかと勘違いされてしまうだろう。

「悪いのは何奴だ顔見せな」の低音部分も良い。曲調としては明るい感じなんだけど、人生における無常さを漂わせている。そのままの流れで樹海へGo。


【6.走れゎナンバー】
前曲「労働者」とのつながりがユニーク。バックの映像は「(生)林檎博’14」で使用してたものと同じなのかな? 車のナンバーはしっかり「417」になってるんだね。


【7.神様、仏様】
今回のライブテーマともリンクする神様、仏様。ツアータイトルがバック画面に表示され、一気に盛り上がる。

曲の終盤、バックモニターの映像にて、扇子で顔を隠す仕草の林檎さんの表情がなんともキマッっている。あの表情が百鬼夜行の多くを物語っているような気もする。


【11.熱愛発覚中】
まさかの林檎さんナース姿!
ナース姿なんてもう二度と拝めることないだろうと思っていたが、ありがたや。バックモニターに映るELEVENPLAYと一緒に踊るダンスはとてもユニーク。


【14.ブラックアウト】
曲の最後、体を反らしていく林檎さんのパフォーマンス、とても良い。こうした動きの一つまでプログラムとして組み込んでいるから、完成度高く多くの人を魅了する舞台となるのかな。


【16.罪と罰】
とにかく圧巻!
楽曲だけでも鬼気迫るものを感じるのだけれど、実演でのパフォーマンスも加われば、曲に込められた想いのようなものが具現化され引き込まれる。林檎さんの本気を感じさせてくれる。


【22.真夜中は純潔】
中学生時代の僕にとって電撃が走ったのがこの曲。時を経ても色あせることはない。ライブでやるのは久しぶりかな。


【23.きらきら武士】
レキシとのコラボ曲。本公演ではレキシの代わりに浮雲が歌ってた。あまりよく知らなかったので、YouTubeでめっちゃPV見ちゃった(avexの公式チャンネルがアップしてる)。

(生)林檎博’18 不惑の余裕」公演ではアンコールでレキシ本人が登場してたな。


【24.御祭騒ぎ】
バックモニターの妖怪たちもお茶目で、とてもポップな御祭騒ぎとなっている。次の長く短い祭へのつながりも良い。


【25.長く短い祭】
手旗を振る林檎さんはとても優雅でいらっしゃる。ヒイズミ氏の演奏も素晴らしい。最後に「お美しい」って林檎さんが言うんだけど、本当に美しいのは林檎さんですね。こちらこそありがとうございますです。


【27.NIPPON】
いよいよクライマックス。人間の欲深さとか、暗雲たる部分とか、最後のNIPPONで浄化されるような感覚。ある種の気持ちよさを感じさせ、アンコールへと続く。


【28.逆さに数えて】
アンコールの楽曲は公演ごとに微妙に異なるそうだが、DVDに納められているものでは、逆さに数えて⇒虚言症となる。

NIIPPONのカップリング曲であるが、NIPPONとは対照的に陰の曲。火照った気持ちをしめやかにさせてくれる。

大事なことだからもう一度言うが、上記以外の楽曲もどれも本当に素晴らしい。

 

おわりに

椎名林檎と彼奴等によるライブだけあって、完成度はとても高いのだが、エンターテイメント性という面でも、今回の百鬼夜行はずば抜けている。

歌唱・演奏・構成・演出・パフォーマンス、どれをとっても素晴らしく、それぞれがちょどよく調和された世界で観る者を魅了してくれる。とにかく最高オブ最高なのである。

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