潰瘍性大腸炎の発症~診断・治療までの話と、その後の生活について

潰瘍性大腸炎の発症~診断・治療までの話と、その後の生活について

潰瘍性大腸炎とは、厚生労働省によって「指定難病」に指定されている疾患の一つである。

当疾患は大腸が炎症をおこすことにより、腹痛・血便・下痢などといった症状があらわれるのが特徴。大腸が炎症をおこす原因は未だ不明なので、治療法もない(ただ症状を抑える薬はある)。

当疾患は「指定難病」の中では最も患者数が多いと言われている。人に説明するときには、安倍首相と同じ病気というと「あー、なるほど」と理解されやすいことが多い(その他にも高橋メアリージュンさんや、若槻千夏さんも当疾患であることを公表しているようだ)。

僕自身は2015年頃に医者から「潰瘍性大腸炎」の診断を受けた。そのときの状況や、今の生活について記していきたい(同じ病気を持つ方々にとって、何かの参考となれれば幸いだ)。

 

発症~医者の診断まで

異常の始まりは血便から

医者から正式に潰瘍性大腸炎と診断を受けたのは2015年のことだが、症状自体は2014年ごろから始まっていた。

ある日からトイレに行くたび、血便が出るようになった。一向に治らないので「何かおかしいな」とは思っていたが、特に腹痛もなかったので放置していた(おしりの検査って、恥ずかしさも相まって、病院で診てもらうのがおっくうになるしね)。

それにちょうどその頃は勤めていた会社を辞め、自分自身で新しい事業をスタートさせた直後だったので、精神的な負担が体にも表れているのだろうと勝手に思い、特に気にもしていなかった。

 

最初は痔と診断されたけど・・

それでも1年ほど経過し、さすがに1年も血便が止まらないのはおかしいなと思い、意を決して病院へ行ってみた。

おしりの穴から指を入れられ、直腸付近を触診されるのだが、その時点では「おそらく痔でしょう」という暫定的な診断をうけた。それでも「潰瘍性大腸炎など、他の病気の疑いもあるので、念のため内視鏡検査もしましょう」ということで、後日内視鏡を使用した検査をした。

その結果、どうやら僕は痔ではなく「潰瘍性大腸炎」という疾患にかかっていることが分かり、病理検査の結果も踏まえ、医者からの説明を受けた。

炎症が生じる範囲は「全大腸炎型」という最も広範囲に広がる型で(それでも所々まばらに炎症を起こしていない箇所もあったが)、病理検査の結果、炎症の度合いも結構ひどいものだったことが分かった。

 

まさか・・自分が・・という気持ちに

難病なんてものは、もちろん言葉は知っていたが、自分には縁のないものとばかり思っていた。だがある日突然、自分自身が難病患者となってしまった。「まさか・・自分が・・」という気持ちにはなったが、潰瘍性大腸炎に関して言えば、しっかりと症状を抑える薬を飲んでいけば、死に至る病などではない。

少々のショックはあったが、幸いなことに症状がそこまでひどくなかったため、結構楽観的ではあった。医者からは「炎症の度合いも結構ひどいのに、よく日常生活が送れますね」なんて言われたほどだ。

 

治療について

当疾患は原因が分からないゆえ、完治を目指すための治療法はないのだが、症状を抑えるための治療は、いくつか見つかっている。

潰瘍性大腸炎と診断後、医者からは複数の治療方法の説明があった。一般的には「5-アミノサリチル酸製剤」を服用するのが、一番最初に始める治療のようだ。

メサラジン錠という錠剤を飲むだけなので、お手軽であるし、副作用もそんなにないので、身体的負担も少ない。

もし上記の錠剤で症状が緩和しないようであれば、ステロイド薬を使用するタイプとか、血液から白血球を取り除くタイプなど、大掛かりな治療が必要になってくるらしいが、幸いなことに僕はメサラジンを服用するだけで、炎症を抑えることができた。

薬の量は炎症度合いによって変わるらしいが、今は朝食後にメサラジン錠500mgを3錠、夕食後に3錠、合計して一日に3000mg服用している。毎日服用しなければならないが、仕方のないことだ(たまに飲み忘れてしまうけど)。

※上記の治療方法はあくまで僕の場合なので、しっかりと医者の診断のもと、適切な処置をしてほしい(薬の名前とかも、素人の覚え程度だし)

 

今の生活について

そうこうして指定難病患者となったわけだが、症状が抑えられているため、発症前と変わらないぐらい普通の生活を送っている(発症時も日常生活に支障をきたすほどの症状ではなかったが・・)。

本来ならアルコールやカフェインといった刺激物や、油料理などは腸のことを考えると極力控えた方がよいのだろうが、好きなものを食べるし、お酒だって楽しんでいる。仕事も普通にするし、急な腹痛に襲われることもない(もちろん血便もない)。

ただ月に1度の通院と、年に1度の内視鏡検査、そして毎日薬を服用することだけはしっかりと忘れないようにしている(出張や旅行のときも薬だけは忘れないように気をつけている)。

上記のこと以外は本当に普通の人と同じ生活をしているわけだが、些細ではあるかもしれないが、少々の変化もあった。それを以下に記していく。

 

医療費受給者証の申請

指定難病の患者は医療費助成を受けることができる。自己負担割合が2割になったり、所得に応じて月の医療費にかかる自己負担額に限度額が設けられる。

潰瘍性大腸炎と診断された後、医者のすすめもあり、近くの保健所で特定医療費受給者証の申請を行った。

無事に申請が通り、受給者証が交付されたわけだが、医療費だけが助成されるだけでなく、一部の美術館や動物園などの入園料が無料になったりと、そうした恩恵も受けれるのが嬉しい(当該受給者証で無料や割引になるかは、必ず事前に施設のウェブサイトなどで確認しておくべき)。多くの場合難病患者だけでなく、介抱者1名まで無料とか割引になったりするので、お出かけする機会が増えたりもした。

ただ2年目の申請時には、症状が軽度だったこともあり、受給者証の申請は却下されてしまった。それから申請はしていない。

 

献血ができない

僕は定期的に献血をしていたのだが、ある日献血をしようと思ったところNGとなってしまった。原因は薬の服用のせい。

困ることとまではいかないが、もう普通の体ではないと思い知り、少し寂しくもなった。

 

大腸癌には敏感に

潰瘍性大腸炎の患者は大腸癌のリスクも高くなるという。だから先にも言ったように、年に一度は大腸の内視鏡検査をしている。

検査自体よりも、事前に下剤を飲んで腸をきれいにしておくのが結構辛いのだけど、健康のことを思えば仕方ない。

また発症して7年後から大腸癌の発生リスクが高くなるというから、気を付けたいところだ。飲酒は適量にしようと思いつつも、ついつい飲みすぎてしまうのは悪い癖だが。

それに潰瘍性大腸炎の患者がなる大腸癌は、ポリープ型ではなく平らに広がっていくタイプの癌になることが多く、非常に見つけにくい。見つけたときにはすでに進行しており、大腸の全摘出ということもあるそうだ。

だからこそ、大腸癌には敏感になるし、たとえ面倒であっても検査も欠かさないことが大事なのである。

 

健康は当たり前でないと思うようになった

病気になったことで、健康が当たり前ではないということを、つくづく実感するようになった。日常生活を送るという、ただそれだけのことが嬉しくも思うし「健康なうちに自分のやりたいことはやっておこう」という気持ちも芽生えた。

病気がきっかけではあるが、より前向きでポジティブな生き方を心がけるようになったし、人生には限りがあることが理解できるようになった結果、無駄な時間を過ごさないようになった。

病気になって良かったとは言わないが、こうした価値観に変化が生まれたのは、精神的に大きな変化であった。

 

おわりに

僕は錠剤で症状を抑えられており、幸運なことに不自由なく日常生活を送れているが、中にはつらい治療をしている人がいることも事実だ。患者数が多いからと、けっして楽観視もできない。

今のところは一生付き合っていかなければならない病気である。ただいつの日か研究が進んで、完治できる病気となる可能性もあるだろう。

今回はあくまで自分自身のケースだが、イチ患者の体験として、何かの役に立てば幸いだ。

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